変わっていく自分に不安は何一つなかった。得意なことで現金が自然に入ってくるのだ。当然調子に乗った。
アメリカ屋の注意事項を肝に銘じ、営業出ることにした。効果の証明は自分自身。多少の忍耐力も身につけた。要領も得た。知らないことへの不安よりも知っていることへの自信を持てるようになって行った。
理髪店、美容院を中心に回った。すでにインターネットで購入している店もあったが、興味を示す店も何軒かあった。
通りを自転車で走っていると、不思議な気分になった。頭を露出させ、視線を上げて道を歩くことがなかったせいか、自分の街の様子が違って見えた。天然の光は、部屋の中の電気と違って、明るく眩しかった。
「光男?」